'Max und Moritz' Salt and Pepper shakers2007-08-16

ドイツ南部ガイスリンゲン(Geislingen)に本社を持つキッチン用品を扱うWMF(Württembergische Metallwarenfabrik)社が1952年に発売した塩・コショウ卓上ビン。 元々は銀メッキの会社で、18-10ステンレススチールを開発し、「Cromargan(クロマーガン。銀のように輝くクロム合金の意。)」と登録商標し、以来ステンレスとガラスを組み合わせた用品を多く発売している。
DESIGN:ウィルヘルム・ワーゲンフェルト
これは「Cromargan」とガラスを使った高級カトラリーに属するデザイナーの代表作のひとつ。ステンレス素材が当時(1920年代末)発達するってのは高価な銀製品をもう少し安価に提供するみたいな動機があったんだろうか。銀は磨くのが大変だしね。
私自身は収集初期に後先考えず買って、案の定使っていない。家でメシ食うときに塩コショウを卓上で使う習慣なんぞないのだ。結構小さくてテーブルに置いても邪魔にならないが、使い勝手としては当然ながら密封蓋がないため、湿気って詰まり易い。米粒入れたら場末の食堂っぽくてイヤだしなあ。また、なまじデザインが良いだけに、頻繁に使っていると汚れが目立って洗うの面倒なんじゃないかと思ったり。だって洗う間は中に残ってる塩とこしょうを別の容器に入れとかなきゃいけないでしょ。まあ汚したくないという意識が働くあたり、アイテムとしてのオーラはひしひしと感じる。デザイナーの人もドイツデザイン界ではかなり大物みたい。
製品名に冠された「マックス&モーリッツ」、元々はドイツの絵本の主人公である2人の男の子とその絵本シリーズの事(結末が惨いぞ)。この製品との関連、調べても出て来ない。分かったら追記する予定。

以下、海外サイトのインプレより追記。
ガラス瓶部分はDiabolo(こま)の形状で持ちやすい。製造原価を下げるため、ビンの蓋はねじ込み式ではなく、ビンの口の曲線に合わせてはめ込むタイプ(無茶な扱いをしなければ取付け/取外しを繰返しても問題はない)。ドイツの列車の食堂車で使われたとの事。あら、やっぱり業務用なのね。

さらに追記、ドイツにあるレストランチェーンで'Max und Moritz'というのがある。このレストランのためにデザインしたのかも。

2008/3/27:MOMAのサイトで販売してますねえ。【http://www.momastore.jp/search/item.asp?shopcd=11111&item=080-003-KT